声明文 ~相模原市障害者支援施設での事件から一年を迎えて~
2017年07月28日 [お知らせ]
相模原市障害者支援施設での殺傷事件から7月26日で一年となりました。
深い傷跡を残し、社会に課題を投げかけた戦後最大のこの殺傷事件を、私たちはけっして忘れません。
被告の手紙などにより、新たに明らかになった事実も踏まえ、次のことを訴えます。
1.どんなに障害が重くても、どんな障害をもっていても、意思疎通は可能です。心の交流もできます。コミュニケーションがとれないとしたら、障害をもつ人の発信を受け取る側の問題であり、障害者が原因ではありません。
2.この事件によって明確になったのは、行動障害や意思疎通に困難さがある障害者を支援する仕事には、人権意識はもちろん、豊かな感性や想像力が必要とされるということです。
3.それゆえに、支援する人たちの仕事の質にふさわしい社会的地位の向上と経済的処遇の改善が急務です。また、そのような人材を育成するためには、社会全体にも異なる文化をもつ人たちとの交流を楽しむ余裕や、多様な人を受け入れる寛容さが求められます。
4.そうした社会の意識の変化が進めば、障害者が幸福に過ごすことができるための権利が守られ、その人らしい人生を過ごすことが、あたりまえになっていくでしょう。
5.私たちは、このような事件が二度と起こらないことを強く願っており、自閉症のみなさんが幸福になる権利を全力で守ります。